浜松医進会塾長/浜松医科大学医学部医学科4年
東海中学・高校学校を卒業。1年間の浪人生活を経て浜松医科大学へ入学。高校卒業時は学年最下層の成績だったが、1年間の猛勉強の末に医学部へ進学した。
こうした自身の経験をもとに、2023年に浜松医進会を立ち上げ。
この記事では「入りやすい医学部はどこ?6つの観点から狙い目の大学は」という話をしていきます!
医学部医学科はどこの大学でも、最高難度の学部です。その中でも狙いやすい穴場の大学を偏差値や受験科目、得点率など様々な側面から紹介していきます。
どうしても医学部に進学したい人や、医学部の進学を考えているけれど具体的な目標はまだ立てていない人は、この記事で各大学の特徴を参考にして目標設定をしてみてください。
目次
観点①-偏差値の低い医学部から探す
偏差値が低い医学部 | ||
---|---|---|
国公立 | 偏差値 | 私立 |
山形大学 | 61~64 | 川崎医科大学 |
秋田大学 | 東京女子医科大学 | |
香川大学 | 獨協医科大学 | |
岩手医科大学 | ||
福島県立医科大学 | 64.0~64.5 | 北里大学 |
琉球大学 | 聖マリアンナ大学 | |
佐賀大学 | ||
旭川医科大学 |
引用元:医学部偏差値・難易度ランキング(国立・公立・私立大学)|医学部受験マニュアル (med-pass.net)
偏差値は、50を平均点として、平均からどれくらいの差があるかという相対的な数値を出したものです。
ですから、偏差値が50から上がるにしたがって、平均との学力の差が大きくなっていきます。
上の表は医学部医学科の中で偏差値の低い大学を列挙したものです。
国公立大学は、都市圏から離れていたり、交通の便が悪いなどの特徴が挙げられます。
私立大学は、学費が他大学と比べて高い傾向にあります。
しかし、上の大学はあくまでも医学部の中で偏差値の低い大学であって、決して入るのが簡単というわけではありません。
偏差値60というのは上位15%ほどの学力が必要ですから、堅実に学力をつけていく必要があります。
観点②-一般入試の実質倍率が低い医学部から探す
一般入試の実質倍率が低い医学部 | |
---|---|
国公立(倍率) | 私立(倍率) |
名古屋大学(1.4) | 東北医科薬科大学(4.9) |
大阪公立大学(1.5) | 埼玉医科大学(6.2) |
徳島大学(1.7) | 近畿大学(6.4) |
鳥取大学(2.0) | 北里大学(6.4) |
名古屋市立大学(2.0) | 慶應義塾大学(6.6) |
群馬大学(2.2) | 兵庫医科大学(6.8) |
横浜市立大学(2.2) | 東京慈恵会医科大学(6.8) |
引用元:医学部(医科大学)倍率ランキング・比較(私立大学一般試験)|医学部受験マニュアル (med-pass.net)
実質倍率とは、受験生に対する合格者の割合のことです。
つまり、実質倍率が1から上がるにしたがって、受験生のなかの合格者の割合が減っていきますから、実質倍率が高いほど合格が難しいということです。
上の表は医学部医学科の中で実質倍率の低い大学を列挙したものです。
国公立大学と比べて、私立大学の倍率がかなり高いのが見て取れると思います。これは私立大学は何校でも受験可能なのに対して、国立大学は前期試験を1校にしか出願することが出来ないということが影響しています。
表の中でも特に目を引くのが国立大学で実質倍率が2を切っている名古屋大学、大阪公立大学、徳島大学の3校です。
名古屋大学の倍率1.4というのは、14人受験すれば10人が合格するということでかなり戦う相手が少ないというのが分かると思います。
実質倍率は実際に受験生が出願するまで分かりませんから、倍率をもとに受験校を探すというのは難しいことです。倍率の低かった大学の次の年の入試は、その反動で倍率が跳ねあがることもしばしばあります。
ですから、倍率は受験校の選定の一助に留めるのが賢明でしょう。
※表の私立大学の倍率は推薦入試や地域枠入試を除いています。
※大阪公立大学は2022年4月に開学されたため、ランキングに含まれておらず浜松医進会が付け加えました。
観点③-合格者の最低得点率が低い医学部から探す
合格者の最低得点率が低い医学部 | |
---|---|
国公立(最低得点率) | 私立(最低得点率) |
新潟大学(55%) | 東京女子医科大学(46%) |
和歌山県立医科大学(57%) | 東京慈恵会医科大学(52%) |
京都府立医科大学(59%) | 近畿大学(54%) |
東京大学(63%) | 愛知医科大学(56%) |
福島県立医科大学(64%) | 金沢医科大学(58%) |
浜松医科大学(64%) | 昭和大学(58%) |
上の表は合格者の最低得点率を低い順にまとめたものです。最低得点率が低いということはどういうことでしょうか。
最低得点率が低いということは、試験で分からない問題に出会っても、他の問題で挽回しやすいということです。
裏を返せば、受験者が高得点を取るのが難しい試験であるともいえます。これは自分の得手不得手で選ぶのが良いでしょう。
例えば、標準的な問題はよく出来るけれど、難問になると手が出ない…という方は最低得点率が高い大学が向いているでしょう。
また、数学はすごく得意だけれど英語はすごく苦手…という方は得意科目で逃げ切りやすい最低得点率が低い大学が向いているでしょう。
最低得点率の高い大学の例としては、国公立大学であれば広島大学(79%)、私立大学であれば東京医科大学(68%)が挙げられます。
自分の特徴を踏まえて、受験校を選定するとよいでしょう。
※表は2022年度入試のデータです。
※得点率の公表がない大学はデータに含めていません。
観点④-試験形式や配点に特徴がある医学部から探す
共通テストの比率が高い医学部
共通テストの比率が高い大学とその割合 |
---|
国公立(割合) |
徳島大学(69.2%) |
佐賀大学(67.7%) |
弘前大学(66.7%) |
旭川医科大学(61.1%) |
島根大学(60.3%) |
山口大学(60.0%) |
宮崎大学(60.0%) |
表は共通テストの比率が高い大学をまとめたものです。
共通テストの比率が高いということは、共通テストで高得点を取ることが出来れば、逃げ切りで合格を狙うことが出来ます。
国立大学で最も共通テストの比率の高い大学は徳島大学(69.2%)です。
共通テストの比率の高い大学は、地方の大学に多いです。
共通テストで高得点を取れば、国公立大学の前期試験だけではなく、後期試験や私立大学の共通テスト利用などでも有利に働きますから、早期からの対策が必要です。
2次試験や個別試験の配点が高い医学部
2次・個別試験の比率が高い大学とその割合 |
---|
国公立(割合) |
東京大学(80.0%) |
京都大学(80.0%) |
東北大学(79.2%) |
大阪大学(75.0%) |
金沢大学(70.0%) |
千葉大学(69.0%) |
岡山大学(68.7%) |
表は二次試験の配点が高い大学をまとめたものです。
二次試験の配点が高いということは、共通テストで失敗してしまっても十分に挽回できる可能性があるということです。
国立大学で最も二次試験の配点が高いのは東京大学、京都大学(80.0%)です。
二次試験の配点の高い大学は、旧帝国大学などの難関校に多いです。
しかし、共通テストの割合が低いからと言って対策をないがしろにしてはいけません。
共通テストの得点率が高ければ高いほど、合格に近づきます!
受験科目数が少ない医学部(小論文・面接のみの大学も含む)
受験科目数の少ない国立大学医学部には、宮崎大学、徳島大学、秋田大学、島根大学、弘前大学、旭川医科大学が挙げられます。
これらの6校は二次試験が数学、英語、面接のみで受験可能です。
受験科目数の少ない私立大学医学部には、帝京大学、東海大学が挙げられます。
帝京大学は必須科目の英語に加えて、「数学、生物、化学、物理、国語の中から二科目選択」して、合計三科目で受験します。
東海大学は「英語、数学、理科1科目」の合計三科目で受験が可能です。
その他にも、浜松医科大学の後期試験では小論文と面接だけで受験可能です。
後期試験は受験科目数が少ない大学が多くあります。
ただし、受験科目が少ないからといって、合格が簡単になるわけではありません。
科目数が少ないからこそ、その科目の完成度を高くすることが求められるのです。
あくまで「自分の得意な科目だけで受験できそうか」という観点から、大学を選ぶとよいでしょう。
各科目の出題範囲や科目配点に偏りがある医学部
各科目の科目配点に偏りのある大学は、教科によって得意不得意の偏りのある受験生におすすめです。
科目配点に偏りのある国立大学の例としては、広島大学の前期A試験があります。
広島大学の前期A試験の配点は、数学300点、理科1200点、外国語300点となっています。
理科の得意な受験生にはかなり有利な受験形式です。
その他の国公立大学の例として、横浜市立大学の前期試験(数学400点、理科600点、外国語400点)、京都大学の前期試験(国語150点、数学250点、理科300点、外国語300点)が挙げられます。
各科目の出題範囲に偏りのある大学の代表例としては、私立大学の近畿大学があります。
近畿大学医学部では数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・Bのみが出題範囲とされていて、数学Ⅲは範囲外とされています。
数学Ⅲは入試の頻出単元でありながら、現役生にとっては対策が疎かになりがちです。
この点で近畿大学は珍しい大学です。
観点⑤-地域枠がある医学部から探す
地域枠がある大学とその所在地 | |
---|---|
国公立(所在地) | 私立(所在地 |
秋田大学(秋田) | 東北医科薬科大学(宮城) |
千葉大学(千葉) | 杏林大学(東京) |
浜松医科大学(静岡) | 愛知医科大学(愛知) |
高知大学(高知) | 福岡大学(福岡) |
地域枠とは、僻地の医師不足の解消を目的とした大学が設置する推薦入試枠のことです。
上の表は地域枠のある大学をピックアップしたものです。
地域枠受験と一般受験は、どう違うのでしょうか。
いまいち地域枠の概要が掴めない方もいらっしゃるでしょうから、下で地域枠のメリット、デメリットを簡単に確認してみます。
【メリット】
- 入試が一般枠と比べて易しい
共通テストが7割台の受験生も珍しくありません。
一方で、内申書などが評価の対象になるため、定期テストにも力を入れる必要があります。
また、県内の高校出身が受験資格である大学もあります。
- 条件付き奨学金がもらえる
国公立大学であれば月10万円から20万円の奨学金、私立大学であれば学費の大部分が貸与されます。
これらのお金は規定年数を指定の病院で勤務すれば、返済が不要です。
【デメリット】
- 規定年数は指定地域で勤務しなければならない
地域枠には、その大学がある都道府県の指定地域での勤務義務があります。
卒業後9年間の勤務義務を課す大学が多いです。
- 勤務義務を破棄すると奨学金の返還義務、就職が困難になる
勤務義務を放棄した場合、多くの医大では奨学金を一括返済しなければなりません。
また、病院に就職しにくくなったり、専門医の取得が難しくなったりといったペナルティが課せられるともいわれています。
このように地域枠には一長一短がありますから、よく考えて受験校を選ばなければなりません。
また、大学によって設定している条件が異なりますから、興味のある大学の募集要項はしっかり読んでおきましょう!
観点⑥年齢や性別ごとの合格率に偏りがない医学部から探す
年齢別の合格率に偏りがない医学部
各大学の年齢別の割合一覧 | ||||
---|---|---|---|---|
大学名 | 現役の占有率 | 1浪の占有率 | 2浪の占有率 | 3浪以上の占有率 |
東京大学 | 81.4% | 18.6% | ||
慶應義塾大学 | 72.5% | 25.8% | 1.7% | ー |
鳥取大学 | 25.0% | 75.0% | ||
金沢医科大学 | 10.8% | 32.2% | 24.6% | 32.3% |
上の表は合格者の中の現役、浪人の割合の表です。
ここでは、特徴的な国公立大学、私立大学からそれぞれ2校選んでいます。
東京大学と慶應義塾大学は、現役生の割合が大きな大学です。
これらの大学は学力試験の難易度が高いので、浪人生が受験を敬遠することや、優秀な現役生が数多く受験することが、理由として考えられます。
対して、鳥取大学と金沢医科大学は浪人生の割合が大きな大学です。
ただし、近年鳥取大学では、地域枠の拡大があり、再受験生の入学が減少傾向にあります。
大学ごとに現役、浪人生の割合には違いが見られます。
これは大学の入試方式や特色などに大きく左右されますから、興味のある大学を調べて、自分に合った受験校を見つけましょう!
※表は2022年度入試のデータです。
※データの公表のない大学は含めていません。
男女別の合格率に偏りがない医学部
各大学の男女別の合格率一覧 | ||
---|---|---|
大学名 | 男子の合格率 | 女子の合格率 |
高知大学 | 27.3% | 27.4% |
筑波大学 | 35.3% | 19.8% |
昭和大学 | 7.9% | 7.9% |
川崎医科大学 | 14.3% | 20.6% |
引用元:医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について:文部科学省 (mext.go.jp)
上の表は男性の受験生に対する合格者の割合、女性の受験生に対する合格者の割合の表です。
ここでは、特徴的な国立大学、私立大学からそれぞれ2校選びました。
高知大学は男性、女性の合格率の偏りが少ない国立大学です。対して筑波大学は男性と女性の合格率が最も離れた国立大学となりました。
昭和大学は男性、女性の合格率の偏りが少ない私立大学です。川崎医科大学は男性と女性の合格率に差がありますが、筑波大学とは対照的に女性の合格率が男性の合格率を上回っています。
しかし、全体的に男女の合格率に顕著な差は認められませんでしたから、自分の得意科目や共通テストの得点率などで志望校を選択すると良いでしょう。
※表は2022年度入試のデータです。
※データの公表のない大学は含めていません。
まとめ
ここまで様々な観点から入りやすい医学部を紹介してきました。
ここで紹介したものはたくさんある観点の一部に過ぎません。
募集要項や情報を集めて、自分にあった受験スタイルの学校を見つけましょう。
紹介したデータや大学の情報は、変更になる可能性がありますから、興味のある大学に対してアンテナを常に張っておきましょう!
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それでは、また次の受験コラムでお会いしましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!