浜松医進会塾長/浜松医科大学医学部医学科5年
東海中学・高校学校を卒業。1年間の浪人生活を経て浜松医科大学へ入学。高校卒業時は学年最下層の成績だったが、1年間の猛勉強の末に医学部へ進学した。
こうした自身の経験をもとに、2023年に浜松医進会を立ち上げ。
人生における大きな節目であり、試練の1つでもある大学受験、その中でも特に難易度が高いのが医学部受験です。この医学部受験については約60万人いる大学入学者のうち、1万人未満しか合格・入学することのできない超難関です。
「現役で合格したいけど、実現のためにはどんなことを意識して勉強すればいいの?」
このように考えている方も少なくないのではないでしょうか?この記事では、医学部に現役で合格するための具体的な行動指針・注意点やその難易度について様々な視点から徹底解説していきます。
目次
10人に1人しか現役合格できない!医学部現役合格の難しさとは
結論から言うと、医学部合格者中の現役合格率はおおよそ35%前後、全医学部受験者中の合格率は10%程度で何年間も推移しています。つまり、医学部に合格する受験生の半数以上は浪人生なのです。下の表は、平成25年から平成30年までの医学部受験状況をまとめたものです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 現役受験者数 | 一浪受験者数 | 浪人受験者数 | 現役合格者数 | 現役合格割合 | 現役合格率 | 一浪合格者数 | 一浪合格割合 | 一浪合格率 | 浪人合格者数 | 浪人合格割合 | 浪人合格率 | 全体合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H30 | 125,173 | 13,409 | 37,634 | 36,353 | 87,539 | 4,898 | 36.53% | 13.01% | 4,823 | 35.97% | 13.27% | 8511 | 63.47% | 9.72% | 10.71% |
H29 | 125,217 | 13,408 | 37,224 | 35,779 | 87,993 | 4,737 | 35.33% | 12.73% | 4,803 | 35.82% | 13.42% | 8671 | 64.67% | 9.85% | 10.71% |
H28 | 124,509 | 13,533 | 36,488 | 35,909 | 88,021 | 4,354 | 32.17% | 11.93% | 4,996 | 36.92% | 13.91% | 9179 | 67.83% | 10.43% | 10.87% |
H27 | 123,218 | 12,980 | 36,687 | 33,891 | 86,531 | 4,364 | 33.62% | 11.90% | 4,492 | 34.61% | 13.25% | 8616 | 66.38% | 9.96% | 10.53% |
H26 | 124,369 | 12,504 | 35,862 | 35,649 | 88,507 | 4,316 | 34.52% | 12.04% | 4,421 | 35.36% | 12.40% | 8188 | 65.48% | 9.25% | 10.05% |
H25 | 113,401 | 12,214 | 36,536 | 32,109 | 78,865 | 4,554 | 37.29% | 12.46% | 4,270 | 34.96% | 13.30% | 7660 | 62.71% | 9.97% | 10.77% |
平均 | 37.29% | 12.34% | 34.96% | 13.26% | 62.71% | 9.86% | 10.61% |
例として平成30年度の医学部受験状況を見てみると、現役医学部受験者数は37634人となっています。このうち合格者は4898人のため、医学部現役合格率は13.01%とかなり低めの値となっています。また、同年の医学部合格者の総数は13409人です。これと現役合格者数を合わせて見ると、合格者全体における現役合格者の割合が36.53%であることがわかります。このように、現役から医学部の合格を勝ち取ることは非常に難易度が高いと言えるでしょう。また、現役+1浪の受験生を合わせた合格率も7割程度のため、3割以上の医学部生は2年以上の浪人を経験していることになります。
なぜ現役合格は難しい?3つの観点から解説!
先ほどの項目で、医学部に現役合格することは非常に難易度の高いものであるということがデータとして分かりました。では、なぜこんなにも医学部に現役合格することはハードルが高いのでしょうか?この理由について、3つの観点から解説していきます。
1.勉強に費やすことのできる時間が少ない
高3生が現役で医学部に合格することが難しい理由の1つ目は、勉強に費やすことの出来る時間が少ない点です。
医学部受験を志す高3生の多くは、普通科高校に通っていると思います。その場合、平日は朝8:30〜16:00ごろまで学校の授業があり、夏ごろまでは部活動がある人も多いはずです。また、部活動を引退したあとの時期には補習という形で放課後に学校の授業がさらに実施されるケースが見られます。また、土日や長期休暇期間も補習や学校で絶対に受けることになる模試などで時間を取られることが多々あるでしょう。さらに学校から課される課題もこなしていって…となると、自分の志望校受験に向けた勉強することが出来る時間は非常に少なくなってしまいます。
もちろん、学校の課題や授業がまったく無駄という訳ではありませんが、自分の目標に対してすべてが効果的・効率的であるケースばかりではありません。このことから、高3生が医学部受験に特化した勉強に費やすことの出来る時間は非常に少ないと言えます。
2.全範囲を履修し終えるのが遅い
高3生が現役で医学部に合格することが難しい理由の2つ目は、全範囲を履修し終えるのが遅い点です。
中高一貫校でない公立高校の場合、学校ごとにばらつきこそありますが、大学受験に必要な全範囲の履修修了は概ね高3生の9月〜11月ごろのケースが多いです。このため、医学部受験に向けて自主的に先取り勉強が十分に進められていない場合は、本格的に復習・演習が出来るのは2次試験までに3カ月〜半年程度しかない計算となります。ただでさえ高3生は自分のための学習時間を取るのが難しいにも関わらず、受験のための演習時間も多く取れないため非常に対策が厳しくなってしまいます。このことから、学校よりも早めに受験科目の履修を完了させるなどの医学部受験を意識した先取り学習をしておかないと、医学部受験を現役合格することは厳しくなると言えます。
3.受験勉強に関する知識が少ない
高3生が現役で医学部に合格することが難しい理由の3つ目は、受験勉強に関する知識が少ない点です。
高3生は、浪人生たちに比べて受験勉強に関する知識が少なくなりがちです。その分、勉強の中身や効率面で十分でない学習をしてしまいがちです。
例えば、志望大学医学部の配点を意識せず全体的に満遍なく勉強したり、基礎反復演習ばかりしてしまったり、逆に自分の現状の学力と比較すると難易度が高すぎる問題集ばかりにチャレンジしてしまったりするケースが多いです。医学部現役合格は、ただたくさん勉強すれば勝ち取れるものではありません。このような知識不足から来るもったいない勉強をしてしまうと、本来必要な勉強が十分に出来なくなる可能性が高まります。
受験勉強に関する知識が少ないことが理由に、無駄のない勉強をしづらい点も医学部現役合格を阻む要因となりがちです。
▼医学部受験の難しさについてはこちらの記事でも解説しています
学校との両立が鍵!医学部に現役で合格した人の実際のスケジュール
高3生が医学部に現役合格することが難しい理由について、詳しく見ていきました。では、医学部合格は無謀な夢なのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。割合として多くはありませんが、現役医学部受験生のうち10%程度の受験生は医学部現役合格を勝ち取っています。そんな現役合格者がどのようなスケジュールで学習していたのか、ここを分析し再現することが医学部現役合格のためには重要です。医学部現役合格者の平日、休日の学習スケジュールを詳細に見ていきましょう。
授業以外で1日5時間!平日の過ごし方
医学部現役合格を果たした高3生の平日の過ごし方について、まずは下の表・グラフを見ていきましょう。
時間帯 | 活動 | 時間(h) |
---|---|---|
5:30〜7:00 | 勉強 | 1.5 |
7:00〜8:00 | 支度,移動 | 1 |
8:00〜16:30 | 学校 | 8.5 |
16:30〜17:00 | 移動 | 0.5 |
17:00〜20:00 | 予備校 | 3 |
20:00〜21:00 | 移動 | 1 |
21:00〜23:00 | 夜ご飯・お風呂など | 2 |
23:00〜5:30 | 睡眠 | 6.5 |
この高3生の場合は、自宅での勉強を朝かなり早く起きて実施していました。これに関しては自身の生活リズムに合わせてどこに挿入するか検討していって問題ありません。
重要なのが、学校以外の場所で1日最低5時間は集中して勉強することです。この数字は人によっては少なく見えるかもしれませんが、丸一日学校で学習したあとに取れる時間としてはほぼマックスなケースも多々あります。特に、自宅から遠方の高校に通っている場合は通学時間もあるためこれくらいになりがちです。そのため、平日に関してはそこまで通常の受験生と絶対の差はつきづらいです。ただし、通学中などのスキマ時間に単語系を確認するなどの時間の使い方は重要です。
受験生と差をつけるのはここ!休日の過ごし方
続いて、医学部現役合格生の休日の過ごし方を確認していきましょう。
時間帯 | 活動 | 時間(h) |
---|---|---|
5:30〜7:00 | 勉強 | 1.5 |
7:00〜9:00 | 支度 | 2 |
9:00〜10:00 | 移動 | 1 |
10:00〜12:00 | 予備校 | 2 |
12:00〜13:00 | 昼休憩 | 1 |
13:00〜19:00 | 予備校 | 4 |
19:00〜23:00 | 夜ご飯・お風呂など | 4 |
23:00〜5:30 | 睡眠 | 6.5 |
この医学部現役合格生の場合は、休日はほぼ丸一日予備校に籠もってひたすら勉強していました。このように、学校の制限が外れる休日にどの程度の学習時間を取るかが医学部現役合格のため非常に重要になってきます。もちろん、ただ長く時間をかければいいというものではありません。その中で医学部現役合格に向けた最適な学習内容を、最高効率で実施していけるかどうかが重要です。
また、これは平日もそうですが、睡眠時間などの体を休める時間を削ることはおすすめしません。睡眠や食事、入浴を削ればそれだけ学習量は増やせますが、集中力が散漫になりやすく、結果的に勉強の質が落ちがちです。医学部合格にむけて勉強時間を増やすことは非常に重要ですが、長めの睡眠を含めた休息時間はしっかりと取ることをおすすめします。休息をしっかり取った方が結果的に学習効率が上がります!
コツを掴んで周りと差をつける!現役で医学部に合格するためのコツ5選
医学部現役合格を果たした高3生の具体的なスケジュールは先述の通りです。しかし、当然ながらこれを何も考えずになぞるだけでは医学部現役合格は勝ち取れません。医学部現役合格の悲願を達成するためには、受験勉強を効率的に進めていくコツを意識したうえで学習することが必要不可欠です。ここでは、学習のコツについて5つのポイントを確認し、皆さんにお伝えしていきます。
過去問を研究する|目標を知らなければ合格はできない!
医学部現役合格を果たすための1つ目の学習のコツは、志望大学医学部の過去問を研究することです。
当然ではありますが、医学部に合格するためには、各大学が用意する個別試験まで含めて総合的に合格点を取る必要があります。逆に言えば、どれだけ難しい問題が解けるようになっても、志望大学医学部の試験で点が出せなければなんの意味もないのです。現役生は、様々な問題形式に当たることを優先しすぎて志望大学の過去問研究が十分でないケースがよくあります。その結果、志望大学の傾向が掴み切れず合格点に達しない…という非常に悔しい結果を迎えてしまいがちです。
この事態を回避するために、ある程度の基礎固めが終了したら過去問研究にシフトしましょう。医学部志望の場合は、志望大学過去問について少なくとも10年は解くことで傾向を掴みたいところです。過去問は、遅くとも高3生の7月頃には1度触れておきましょう。もちろん、過去問演習の開始当初は全く解けないこともあるでしょう。しかし、そこで解けなかった問題・単元について別途で見直しをすれば何ら問題ありません。過去問演習は、自分の苦手分野を丁寧に見直す最高の契機にもなります。そのため、自分が最終的に挑む問題・目標の中身や現在の学力からの距離を正確に測るためにも、過去問研究を重視していきましょう。
基礎を固める|安定した得点力を手に入れる!
医学部現役合格を果たすための2つ目の学習のコツは、安定した得点力を手に入れるために基礎を固めておくことです。
医学部受験生の一部に見られるのが、自分の最終目標に合わせて難問演習ばかり重ねる学習方法です。もちろん、教科書レベルから入試基本レベルの問題を軽々解ける状態であればこの学習は問題ありません。しかし、基礎が不十分な状態で難問演習ばかりしても、内容理解ができず、まったく解けないという事態になりがちです。これは、問題を解く上で必要となる基礎事項が把握できておらず、解法の導きが出来ないことに起因します。このため、基礎事項が不十分な状態で時間をかけて過去問に挑んでも、習得できる内容が少なくなる可能性が高まります。
千里の道も一歩から。まずは基礎固めが重要です。具体的には、数学の基礎問題が収録された問題集をやりきる勉強・英単語や英文法を定期的に見直すなど、ごく当たり前と思えることをしっかりやる勉強です。医学部入試で課される問題は確かに難問ぞろいですが、これらの基礎事項だけで取れる問題も出題されます。このような基礎レベルの問題は医学部受験者であればほぼ全員が解答してくるため、絶対に落としたくありません。そのため、医学部現役合格のためには基礎力の有無が何より大きな差となるのです。どのような苦手分野であっても基礎問題で落とさないよう、基礎を固めることを徹底していきましょう。
十分な睡眠時間を確保する|効率よく記憶を定着させる!
医学部現役合格を果たすための3つ目の学習のコツは、十分な睡眠時間を確保することです。
受験生の中には、睡眠時間を極限まで削り、学習時間を最大化させようとしている方も相当数居られます。その学習意欲は大変素晴らしいのですが、実は睡眠時間を削りすぎると、2つの観点から学習効率に悪影響が出ます。
1つは、睡眠時間の不足が続くと注意力や集中力が散漫となりやすい点です。一般に、6時間未満の睡眠が2週間続くと、人間の注意力や集中力は2日間徹夜した人とほぼ同レベルまで落ちると言われています。しかし、体がその状態に慣れているため、集中力が削れている状態が標準となってしまい、しっかり睡眠時間を取っている受験生よりも無意識に学習効率が落ちがちです。
もう1つは、暗記事項の定着が十分に進まない点です。英単語や数学の公式などの暗記事項は、睡眠中に脳内で整理されて頭に入っていきやすいです。そのため、睡眠時間が不足していると学習の定着が測れず、結果的に単純な暗記事項を繰り返しチェックすることになり非効率となりやすいです。
これらの理由から、医学部現役合格を果たすためには睡眠時間は十分に確保したほうがよいです。1日6-8時間を目安に、自分のリズムに合った睡眠時間を確保していきましょう。
個別指導で確実に成績を上げる|一人ひとり必要な対策は違う!
医学部現役合格を果たすための4つ目の学習のコツは、個別指導で確実に成績を上げることです。
医学部現役合格に向けて、塾や予備校に通われている方も多いのではないでしょうか?様々な指導形式の塾がありますが、多くの内容を細かく理解することが絶対不可欠な医学部現役合格を勝ち取るためには、個別指導塾が非常に効率的です。
医学部現役合格のためには、限られた時間の中で、自分にとって必要な対策のみをひたすら積み上げていくことが重要です。また、個別指導塾は、特定のカリキュラムを設けずに、個々の状況に合わせてオーダーメイドの学習指導をしてくれます。このように、医学部現役合格に向けて必要な学習・個別指導塾が得意とする指導は非常に噛み合っています。そのため、医学部現役合格に向けた学習を個別指導形式で進めていくことをおすすめします。
医学部専門の塾に通う|医学部に特化した対策で効率よく成績アップ!
医学部現役合格を果たすための5つ目の学習のコツは、医学部専門の塾に通うことです。
塾の中には、医学部合格に向けた指導のみを行う、医学部専門塾があります。これらの塾は、当然ながら医学部合格に向けて必要な学習ノウハウを大量に備えています。そのため、医学部現役合格を目指す場合の大変心強い伴走者となってくれます。また、医学部専門塾は医学部合格に向けて欠かせない、面接対策も指導カリキュラムに盛り込んでいるケースも多数あります。そのため、塾/予備校に通う場合は医学部専門塾に通うことは非常におすすめできます。
とはいえ、医学部専門塾は、その他の塾と比べて費用が非常に高額になるケースが多いため、ご家庭の経済事情なども踏まえながら検討するようにしましょう。医学部専門塾について詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせて確認してみてください。
浜松医進会では、個別指導で効率よく医学部受験の知識を伝授!
ここまで、医学部に現役合格する難易度、具体的な対策方法について様々な観点からまとめてきました。
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まとめ
この記事では、医学部に現役合格する難易度、具体的な対策方法や注意点についてまとめていきました。どのように勉強していくべきか、方向性が見えてきたでしょうか?
記事内でも繰り返し伝えてきた通り、医学部現役合格は非常にハードルが高いです。しかし、自分の現状を踏まえて適切な学習をしていけば決して不可能な目標ではありません。医学部受験を志す現役生の皆さんが、満足いく結果となることを祈っています。