こんにちは、医学部専門予備校の医進会です。
今回は近年起こっている、東京女子医科大学で起きた問題について、まとめました。
何が起きたのかわからないから東京女子医科大学の受験はやめておこうと考えている方や、単純に何が起きたかを知りたい方には読んでほしいです。
なお、今回は2020年以降に問題視された不祥事に関して取り上げています。
結論として、東京女子医大を不祥事を理由に受験を諦める必要はありません。
その理由も、今回の記事で深掘りしていきます。

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2026年までに東京女子医科大学で何が起こったのか
2020年から東京女子医科大学では、大きく3つの不祥事が起きました。
二重給与問題と不正支出問題(2015~)
一つ目は、二重給与問題と不正支出問題。
東京女子医科大学の同窓会組織「至誠会」(以下、至誠会)に、所属する職員2人に関するお金(給与や業務委託費)が妥当な金額ではなかったという問題です。
この職員は、当時の理事長の知人が経営している会社の関係者でした。
そして、この理事長の側近のような人たちでした。
- 出向先から大学への出向契約や業務内容が不明瞭で、仕事にあった給与が支払われているかわからない点
- 出向中、職員らは大学側と勤務していたか不明な至誠会から給与をもらっていた点
- 出向後もこの職員に対して、業務委託費などの名目で大学側からお金が支払われていた点
- 当時の理事長が一強体制を引いており、誰も金額がおかしいと言えない環境だった点
に関して、2025年、大学はこの理事長に関して2億5290万の損害賠償請求をしました。
現在(2026年8月)も、訴訟中であり、この問題に着地点はわからないままです。
わかりやすくまとめると、理事長の影響下の元、一部の職員に対して妥当性のないお金が渡されていた、ということです。
※参照元:東京女子医大、理事長に資金還流か…第三者委員会報告書「金銭に強い執着」(読売新聞)
推薦入試の寄付金問題(2018年~)
二つ目は、推薦入試の寄付金問題に関してです。
現在(2026年8月)は名称が変わっていますが、東京女子医大は2018年から、「至誠と愛」という名前で推薦入試が行われていました。
※参照元:学校推薦型選抜(「至誠と愛」推薦)
この入試の受験対象者は、3等親以内に東京女子医科大学の卒業生がいる受験生。
推薦入試の審査段階において至誠会から推薦を受ける必要があり、この推薦を受けれるか受けれないかは、今までその家系が大学に払ってきたの寄付金の額や、推薦入試を受けるにあたっての寄付金の額の多さが考慮されていました。
19年には同会が寄付額を点数化して加算しており、その結果、順位が入れ替わって、寄付の実績がない一部の受験生が大学への推薦を得られなかったこともあった。
同大の医学部推薦入試では、同窓会組織「至誠会」の推薦する受験生を決める際、寄付額が考慮された、などとされた。同大を調査した第三者委員会も8月に報告書で問題を指摘した。
これは、大学が至誠会に寄付金に関する情報を渡していたことからも明らかになっていることです。
前提条件として、卒業生などが大学に寄付金を払うことは問題ありません。
しかし、その額を入試において大学側が考慮することは、入試の公平性に欠け、あってはならないことです。
大学教員の昇進に関しての問題(2018年~)
最後に、大学教員の昇進に関しての問題です。
大学教員の昇進にあたって、研究、教育、診療実績以外にも至誠会への貢献度が考慮されていたことがあり、その貢献度が足りない場合、昇進希望者に対して至誠会に寄付金を払う方法が示されていた点が問題となりました。
※参照元:東京女子医大、教員人事で同窓会組織への寄付額を考慮…卒業生に「評価に影響」と要求(読売新聞)
東京女子医科大学のJACME認定取り消し
東京女子医科大学では、2025年9月18日に認定を取り消されました。
現在(2026年8月)、不認定の大学は全国の医学部でたった1校だけです。
不認定の原因は今まで述べてきたような不祥事、また、大学自身が作成する自己点検評価書に重大な事実隠蔽があったこと、さらに教員の昇進に関して至誠会への貢献度が関与していたことなどが挙げられています。
※参照元:一般社団法人 日本医学教育評価機構
JACMEとは?
JACMEとは、一般社団法人日本医学教育評価機構の略称で、大学の医学教育の質を第三者委員会が評価するために作られた団体です。
世界医学教育連盟(WFME)が示す国際基準をもとにした基準で大学で行われている医学教育の質を調査し、基準を満たす大学を認定しています。
調査では、授業や臨床実習の内容だけでなく、
- 入学者選抜
- 教員組織
- 学生への支援
- 教育設備
- 大学運営
- 教育内容
を継続的に改善する仕組みなど、医学教育に関わる幅広い項目が確認されます。
大学自身が作成する自己点検評価書に加え、JACMEの評価員による書類審査や実地調査を通して、客観的な評価が行われています。
卒後キャリアにおける考えられる影響
JACMEの認定を取り消されたことにより、東京女子医科大学での医学教育の信用は落ちてしまいました。
だからといい、在学生が国家試験を受けられなくなったり、医師になれなくなるわけではありません。
不利になり得ること
現時点で考えうる影響の一つに、アメリカの医師免許USMLEをとる時に不認定校であることが壁になり得ることはあるでしょう。
簡潔に表すと、USMLE受験が一律に不可能になるわけではないものの、ECFMG Certificationに必要なPathwayのうち、WFMEから認定された機関による医学部出身であることを条件とするPathway 3を利用できなくなる可能性があります。
この場合、申請者は別のPathwayの条件を満たす必要があり、米国での研修を希望する学生の手続きが複雑になるおそれがあります。
ECFMG Certificationとは
まず、ECFMG Certificationとは何かですが、米国外の医学部で学んだ人が、アメリカの研修医プログラムに進むために必要となる資格認証です。
ECFMG Certificationを取得するには、大きく分けて次の要件を満たします。
- USMLE Step 1に合格
- USMLE Step 2 CKに合格
- 医学部の学歴・卒業証明の確認
- 臨床技能と英語コミュニケーション能力の要件を満たす
この4番目を満たすために使われる仕組みが、ECFMG Pathway。
このPathwayの中のPathway3を使えるかは、WFMEから認定された医学部出身かどうかで決まります。
そして、JACMEはWFME認定の団体であるため、JACMEの認定が取り消されたということは、WFME認定の大学でなくなるということになります。
しかし、現在(2026年8月)東京女子医科大学はPathway3を使える大学一覧に掲載されているため、今後、Pathway3を使えない可能性はありますが、今は使えるという、なんとも言えない状況です。
※Pathway3を使える大学一覧:2027 Pathways | Medical Schools Eligible for Pathways
万が一、Pathway3が使えなくなった場合、医学部在学中にECFMG Certificationを取得するのに必要な手続きをすることは難しくなります。
※Pathway1(他国の医師免許を持っていることが通過の条件)を使い、卒業後に取得は可能です。
東京女子医科大学の今後と、受験を考えていた学生・保護者の方が今やるべきこと
東京女子医科大学は、一連の不祥事やそれに付随して起きたことを真摯に受け入れ、体制立て直しに力を入れています。
例えば、2027年からは一般選抜の拡大が公表されています。
そのため、今まで入試を受けることを考えている人はこれまで通り、入試を受ける方向性で問題ないでしょう。
まとめ
今回は、東京女子医科大学で起きた不祥事とその影響について解説しました。
当然、受験生にとっても影響がゼロではないでしょうが、東京女子医科大学は起きてしまったことを真摯に受け止め、改善に動いています。
しっかり改善に動いているということが見える点では他の大学よりも、信用できるという見方もできます。
これらのことがキッカケで、大学として以前よりも良くなっていく可能性も十分にあるということなのかもしれません。
東京女子医科大学の受験を考えられている受験生や保護者様は、今後も公式で出される情報を逐一確認してみると良いでしょう。









